孫子兵法

孫子兵法は、今から2500年ほど前の中国・春秋時代に活躍した軍事思想家「孫武」によって書かれた戦略書です。「戦わずして勝つ」を基本理念とし、戦いにおいて勝利するための考え方や立ち振る舞い、判断基準などが体系立てられています。

【走為上（そういじょう）】は、中国の兵法書『三十六計』の最後、第三十六番目の計略です。その意味は端的に言えば、「逃げることが最善である」。戦において、状況が不利で勝ち目がないと判断されたとき、無理に戦って全滅するのではなく、勇気を持って撤退する――それこそが真の戦略家の選択であるという考え方に基づいています。

【連環計（れんかんけい）】は、中国古代の兵法書『兵法三十六計』の第三十五計に位置づけられる戦術です。その特徴は、一つの計略に頼るのではなく、複数の計略を連続的・組織的に絡み合わせ、相手を翻弄・疲弊させることにあります

【苦肉計（くにくけい）】とは、戦略的に自らを傷つけることで相手の信頼を勝ち取り、油断や誤認を引き起こさせる戦術です。中国古典兵法『兵法三十六計』の第三十四計にあたるこの計略は、「自分が損をすることで、相手に虚をつく」手段として知られています。

【反間計（はんかんけい）】とは、中国古代の兵法書『兵法三十六計』に記された第三十三計にあたる策略で、敵の間者（スパイ）や内通者を逆に利用し、偽情報を通じて敵内部に疑心暗鬼や混乱を引き起こすという高度な情報戦略です。

【空城計（くうじょうけい）】とは、古代中国の兵法書『兵法三十六計』の第三十二計に数えられる策略で、「中身のない城をあえて空け放つことで敵を欺く」という極限状態での心理戦術です。

【美人計（びじんけい）】とは、中国古代の戦略書『兵法三十六計』に収められている第三十一の計略です。文字通り「美人を使う計略」と訳されますが、単なる色仕掛けの話ではなく、相手の感情や欲望を利用して冷静な判断を鈍らせ、行動を間違わせる心理戦術です。

【敗戦計（はいせんけい）】は、中国古代の戦略書『兵法三十六計』における最後のカテゴリにあたります。全36計の中で最も追い詰められた状況、すなわち自軍が劣勢または敗北寸前である場合に発動すべき計略群であり、戦術というより“生き残りの知恵”ともいえる存在です。

【反客為主（はんかくいしゅ）】は、兵法三十六計の第三十計に位置する計略で、「客を返して主と為す」、つまり【客人として迎えられた者が、最終的に主人となる】ことを意味します。表面的には補佐や協力の立場に見せながら、時間と共に影響力を強め、最終的には主導権を握る――それがこの戦略の神髄です。もともと一歩引いた立場から入り込み、周囲の信頼を得ながら、徐々に地位を高めていくのが典型的なプロセスです。

【樹上開花（じゅじょうかいか）】は、兵法三十六計の第二十九計に数えられる策略で、文字どおり「木の上に花を咲かせる」、つまり【あり得ない現象を演出する】ことで相手を欺き、優位に立とうとする戦法です。この計略の真髄は「虚を実に見せる」こと。少ない兵力や資源でも、あたかも大軍や大きな力が存在しているかのように見せることで、敵の戦意や判断を狂わせるのです。